年収から調べる家賃相場を解説します。

年収における家賃はどのくらいなのか?そんな疑問を解説いたします。

年収から調べる家賃相場

年収の多くを占める「家賃」

一般的に、給与や収入のうち、最も多くの負担を占めるのが「家賃」です。

大企業・中堅企業では、福利厚生の一環として社宅が用意されることがあります。
また、最近では中小企業でも、人材確保を目的に住宅手当を手厚くするケースが見られます

しかし、一方で「住宅手当が全くない」ことも、珍しくないのが現状です。
厚生労働省の「平成27年就労条件総合調査」によると、

・家賃を全て自己負担する人は45.8%
・住宅手当の平均支給額は1万7000円

つまり、日本の就労人口のうち半数近くは住宅手当支給がなく、仮に住宅手当支給があっても、あくまで「補助」であることが分かります。

年収と家賃、その最適なバランスは?

年収と家賃、その最適なバランスは?

ひと昔前、「家賃は月収の3分の1」という通説がありました。
当時(1990年前後)の平均手取り額は30万円
そのうち、家賃に10万円、預貯金に5~10万円程度、残り分で家族が暮らす、というイメージがあったようです。
この3分の1という数字、実は全く根拠はなく、不動産業界が利益を最大化するために作った話とも言われています。

現在と比較すると、平均年収に差があること、また、携帯電話やインターネット利用料など必要な生活費にも違いがあることから、この「3分の1基準」は、もはや通用しないと考えて良いでしょう。

2019年現在の平均月収は、27万円程度。
平均手取り額を24万円とした場合、3分の1である8万円を家賃に支払い、光熱費1.5万円、携帯代1万円で、固定費は合計10.5万円。
残りの12.5万円から、衣食住の生活費、預貯金、自己投資などがバランスよく出せるか、ということが問われます。

楽に生活できる、という人もいるでしょうし、最低でも月々3万円は貯金したいから残り8.5万円ではきつい、という人もいるでしょう。
特に、結婚して子どもがいる家庭の場合は、とても厳しいかもしれません。

家賃は、毎月ただ消えるだけのお金です。
現在では、家賃に月収の3分の1を費やすのは高すぎるという考え方が増えています。

それではどのくらいの家賃割合がいいのでしょうか?
結論から言うと、現状では月収の4分の1が妥当と考えられています。
これは、日本の平均年収が下がり続けていること、将来的な見通しの不安から「貯蓄」が大切と考えられていること、携帯電話やインターネットなどの必要な生活費は増えていることから、「4分の1程度であれば、その他固定費や生活費を、個々で調整する余裕がある」という考えに基づいています。

それでは新しい基準を踏まえて、年収ごとに家賃相場を見てみましょう。

新しい基準による年収ごとの家賃相場

年収200万円の家賃相場

・平均家賃額:4.2万円
・最大家賃:5.7万円
・駐車場代(平均):0万円


年収200万円台の場合は、家賃やそのほかの固定費、生活費を極力節約することが大切です。
賃貸の入居審査がある場合、年収200万円に対して家賃5~5.2万円が審査基準となります。

年収300万円の家賃相場

・平均家賃:6.3万円
・最大家賃:8.5万円
・駐車場代(平均):0.7万円


年収300万円の場合、手取り額が260万円程度です。
ボーナスを2か月程度とした場合、月の手取り額は18万円程度
8.5万円程度と考えられます。
都内の場合、5〜6万円のワンルームのワンルームを選ぶ人が多いようです。
最近では、シェアハウスの選択も増えており、4万円程度の家賃で比較的ゆったりした生活が可能なケースもあるようです。

年収400万円の家賃相場

・平均家賃:8.3万円
・最大家賃:11.3万円
・駐車場代(平均):0.7~0.8万円


年収400万円の場合、月収は33.3万円。月の手取り額は28万円程度となります。
家賃相場の上限は11.3万円程度と考えられます。
独身の場合、6万円~8万円のワンルームを選ぶ人が多いようです。

年収500万円の家賃相場

・平均家賃:10.4万円
・最大家賃:14.2万円
・駐車場代(平均):0.8~3.5万円

年収500万円の場合、月収は41.7万円。月の手取り額は35万円程度です。
家賃相場の平均は10万円程度、上限は14.2万円程度と考えられます。
車を維持している場合やファミリーの場合、上限14.2万円は厳しい価格設定かもしれません。

年収600万円の家賃相場

・平均家賃:12.5万円
・最大家賃:17.0万円
・駐車場代(平均):0.8~4万円

年収600万円の場合、月収は50万円程度。月の手取り額は40万円程度です。
相場の上限は17万円程度
ファミリーの場合、上限近い価格設定で子供部屋のある少し大きめの物件を選ぶケースが多いようです。

年収700万円の家賃相場

・平均家賃:14.6万円
・最大家賃:19.8万円
・駐車場代(平均):0.9~4万円

年収700万円の場合は、月収は58.3万円。月の手取り額は43万円程度です
この位の年収から、家賃に10万円以上かけることに躊躇がなくなるようです。
独身で20万円程度の好物件を選ぶケースも珍しくありません。

年収800万円の家賃相場

・平均家賃:16.7万円
・最大家賃:22.7万円
・駐車場代(平均):1.4~5万円

年収800万円の場合は、月収は66.7万円。家賃相場の上限は22.7万円程度と考えられます。
収入に余裕があり、ある程度の家賃を負担しながら、高級車を購入・維持しているケースが見られます。

年収900万円の家賃相場

・平均家賃:18.8万円
・最大家賃:25.5万円
・駐車場代(平均):1.4~5万円

年収900万円の場合、月収は75万円。家賃相場の上限は25.5万円程度と考えられます。
東京都内の場合、中央区や港区など、家賃相場の高い場所を選ぶケースが増えるのがこの年収と言われています。

年収1000万円の家賃相場

・平均家賃:20.8万円
・最大家賃:28.3万円
・駐車場代(平均):1.4~5万円

年収1000万円の場合、月収は83.3万円。家賃相場の上限は28.3万円程度と考えられます。
家賃が気にならなくなり、15万円程度の家賃は安いと感じられる層です。東京都内では、利便性の良い立地で50~70平米程度の高層賃貸マンションを選ぶケースも見られます。

【早見表】年収200万円~2000万円の家賃相場

年収200万~2000万の家賃相場を、20万円刻みでご紹介します。
※月収は年俸制(÷12)で算出しています。

年収 月収 平均家賃額 最高家賃額
200万円 16.7万円 4.2万円 5.7万円
220万円 18.3万円 4.6万円 6.2万円
240万円 20.0万円 5.0万円 6.8万円
260万円 21.7万円 5.4万円 7.4万円
280万円 23.3万円 5.8万円 7.9万円
300万円 25.0万円 6.3万円 8.5万円
320万円 26.7万円 6.7万円 9.1万円
340万円 28.3万円 7.1万円 9.6万円
360万円 30.0万円 7.5万円 10.2万円
380万円 31.7万円 7.9万円 10.8万円
400万円 33.3万円 8.3万円 11.3万円
420万円 35.0万円 8.8万円 11.9万円
440万円 36.7万円 9.2万円 12.5万円
460万円 38.3万円 9.6万円 13.0万円
480万円 40.0万円 10.0万円 13.6万円
500万円 41.7万円 10.4万円 14.2万円
520万円 43.3万円 10.8万円 14.7万円
540万円 45.0万円 11.3万円 15.3万円
560万円 46.7万円 11.7万円 15.9万円
580万円 48.3万円 12.1万円 16.4万円
600万円 50.0万円 12.5万円 17.0万円
620万円 51.7万円 12.9万円 17.6万円
640万円 53.3万円 13.3万円 18.1万円
660万円 55.0万円 13.8万円 18.7万円
680万円 56.7万円 14.2万円 19.3万円
700万円 58.3万円 14.6万円 19.8万円
720万円 60.0万円 15.0万円 20.4万円
740万円 61.7万円 15.4万円 21.0万円
760万円 63.3万円 15.8万円 21.5万円
780万円 65.0万円 16.3万円 22.1万円
800万円 66.7万円 16.7万円 22.7万円
820万円 68.3万円 17.1万円 23.2万円
840万円 70.0万円 17.5万円 23.8万円
860万円 71.7万円 17.9万円 24.4万円
880万円 73.3万円 18.3万円 24.9万円
900万円 75.0万円 18.8万円 25.5万円
920万円 76.7万円 19.2万円 26.1万円
940万円 78.3万円 19.6万円 26.6万円
960万円 80.0万円 20.0万円 27.2万円
980万円 81.7万円 20.4万円 27.8万円
1000万円 83.3万円 20.8万円 28.3万円
1050万円 87.5万円 21.9万円 29.8万円
1100万円 91.7万円 22.9万円 31.2万円
1150万円 95.8万円 24.0万円 32.6万円
1200万円 100.0万円 25.0万円 34.0万円
1250万円 104.2万円 26.0万円 35.4万円
1300万円 108.3万円 27.1万円 36.8万円
1350万円 112.5万円 28.1万円 38.3万円
1400万円 116.7万円 29.2万円 39.7万円
1450万円 120.8万円 30.2万円 41.1万円
1500万円 125.0万円 31.3万円 42.5万円
1550万円 129.2万円 32.3万円 43.9万円
1600万円 133.3万円 33.3万円 45.3万円
1650万円 137.5万円 34.4万円 46.8万円
1700万円 141.7万円 35.4万円 48.2万円
1750万円 145.8万円 36.5万円 49.6万円
1800万円 150.0万円 37.5万円 51.0万円
1850万円 154.2万円 38.5万円 52.4万円
1900万円 158.3万円 39.6万円 53.8万円
1950万円 162.5万円 40.6万円 55.3万円
2000万円 166.7万円 41.7万円 56.7万円

【早見表】年収別の入居審査額

賃貸物件で審査がある場合、どのくらいの年収でどの家賃の物件が借りられるのか、審査基準額を一覧でご紹介します。

年収 家賃審査額
年収200万 5~5.2万円
年収300万 7~7.5万円
年収400万 10~10.4万円
年収500万 12~12.5万円
年収600万 14~15万円
年収700万 17~17.5万円
年収800万 20~20.8万円
年収900万 22~22.5万円
年収1000万 24~25万円

年収1000万円の場合、20万円以上の家賃審査に通過しますが、実際には年収1000万円で10~15万円ぐらいの賃貸に住むことが多いようです。

家賃が10万円以上の場合、賃貸よりマンション購入が得?

家賃は、消えてなくなるお金。最近では、「家賃はできるだけ安く済ませたい」と考える傾向が強くなっています。

手取り額20万円に対して、10万円近くの家賃を負担するケースも見られますが、単純に「収入と家賃」の相関関係で見た場合、大家さんのために働いている構図と考えられます。
また一方で、「職住近接型」の暮らしを選択するケースも見られます。通勤時間をコストと捉えれば、多少の家賃負担は仕方がない、という考え方です。

このように、住居や家賃の選択は、様々な価値観に基づくものですが、単純に「収入と家賃」の相関関係でみれば、10万円以上の家賃を支払うならば、マンションや中古住宅を購入する方が得、ということになります。

住宅ローンの借り入れは、年収の7倍程度が上限とされています。
年収500万円ならば3500万円、600万円ならば4200万円です。
銀行によっては、前年度年収300万円以上ならば住宅ローンを組むことができるところもあります。
たとえば、年収300万円の方で、フラット35を利用すると月々7.5万円程度の支払いで2300万円の借り入れをすることが可能です。
頭金200万円を負担し、2500万円のマンションを選択する場合、都心へ30分程度の場所で、25~40平米程度の物件が購入可能です。
中古マンションならば、もっと広い物件もあるでしょう。
最初にワンルームマンションを購入して、結婚後に売却し、ファミリー向けのマンションを購入するというケースも少なくありません。
「家賃は消えてなくなるもの」と考えると、早めの住宅購入を考えるのも、賢い方法かもしれません。

夫婦2人の場合、最適な家賃・広さとは?

夫婦2人の家賃相場

結婚して夫婦2人だけでお部屋探しをする場合、どの程度の家賃、どの程度の広さの住まいが最適か、気になるところです。
2人住まいの家賃の目安は、双方の年収を合計した額を12か月で割って、その3割程度が月額家賃の上限と考えられています。

例えば夫婦の年収が600万円であれば、600万円÷12ヵ月×30%=15万円が上限となります。
この計算式は、不動産会社の入居審査の年収目安になっています。
そのため、実際に部屋を借りる際、算出された金額以上の家賃の部屋を借りようとしても、審査で落ちてしまう可能性もあります。

次に部屋の広さについて。
新婚さん夫婦が実際に借りる部屋の間取りのトップ3は、「2LDK」「2DK」「3LDK」の順、という調査結果があります。(不動産会社のアンケート調査より)
平米数でみると、約40〜70㎡が平均。
夫婦二人であれば、40〜50㎡の2LDKである程度余裕のある暮らしが可能です。

執筆・監修者 平均年収.jp 編集チーム
平均年収.jp編集部

外資系出身者・職業紹介本原作者、FP資格保有者・専門ライター、キャリアコンサルタント・大手出版編集者などのメンバーが参画
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